ステーキマイスターの北川ユウジです。

 

はじめにお聞きしたいのですが
甲州ワインビーフというお肉を
あなたは知っていますか?

 

甲州ワインビーフは甲州と名前が
付いているくらいなので
山梨県を代表している牛肉です。

 

この牛肉は元々は地元の方しか
知らない激レアな銘柄牛でした。

 

近年少しづつ国内産の牛の中で
「お肉の味が良い」と評判になり
認知度が上がってきています。

 

肉好きの私も先日初めて
甲州ワインビーフを
食べました。

 

国産とは思えないほど
旨味がありました。

 

本来のお肉の味がするんです。

 

お肉自身の味がする国産の牛では
珍しいと思います。

 

ですので、正直いって
このお肉は薄切りにするのは
勿体無いです。

 

絶対にステーキにして焼き上げて
ドカーンと存在感のある肉の塊として
食るべきだ、と感じました。

 

今でこそ、肉の味わいの良さで
評判になっています。

 

その理由の一つに
最近注目されている
「赤身肉ブーム」が挙げられます。

お肉の断面を見ると分かりますが
甲州ワインビーフは他の赤身肉と呼ばれる
お肉と比べると完全な赤身肉では
ありません。

 

しかし、適度な脂肪があるおかげで
和牛の霜降りのような脂の強さはなく
赤身の部分の味がしっかりしているのが
伝わるお肉です。

 

この記事では甲州ワインビーフの
味のルーツについて説明します。

甲州ワインビーフとワインは山梨の味

甲州ワインビーフは山梨県が推奨している
甲州統一ブランド食肉の一つです。

 

甲州統一ブランドとは名前の冠を「甲州」
で統一された銘柄食肉のことです。

 

山梨県では甲州統一ブランドとしての
名前に恥じないような飼育の仕方など
厳格に決めています。

 

ご存知の方が多いと思いますが
山梨県は国内のブドウ生産日本一です。

 

当然。

そのブドウから作るワインの生産
日本一です。

 

ワインを作る時に「ぶどうの搾りかす」
が副産物として必ず出てきます。

 

日本一のワイン生産量なので
ぶどうの搾りかすの量も
他の県以上にあります。

 

元々はその搾りかすを「産業廃棄物」として
処理していました。

 

それでは、資源が無駄使いになりますし
ゴミばかりが溜まる一方です。

 

そこで、山梨県で飼われている牛に
飼料として与えることで銘柄牛を
生み出し山梨県を代表する銘柄牛として
ブランドを育てようと試みました。

 

このような経緯を経て
甲州ワインビーフが生まれました。

 

日本全国には銘柄牛と呼ばれる牛
がいますが、ここまでエコに行っている
都道府県は余りありません。

 

あったとしても認知度があまり上がらないで
ヒッソリと行う程度です。

 

このようにして、甲州ワインビーフは
地元から得られる天然の飼料を
有効活用をすることで循環型農業
することができました。

この方法によって牛の飼料のコストダウンに
繋がり甲州ワインビーフは国内産なのに
和牛と比べて手が届きやすい価格での
販売にできるわけです。

 

環境に優しい未来型の畜産の形と
言ってもいいでしょうね。

 

甲州ワインビーフの味が良いのは和牛からズラしているから

甲州ワインビーフの飼料である
「ワインの搾りかす」はブドウの収穫時期
にしか手に入れることができません。

 

そこで、ブドウの搾りかすを“発酵”を
させることで1年中飼料とすることができます。

 

牛を育てる前期と呼ばれる肥育期間に
与える餌の5%分ブドウの搾りかすを
加えて飼料としています。

ブドウに含まれている豊富なビタミンを
牛が食べることで、健康的に育てることに
繋がるのでお肉の味も良くなる、と
考えられています。

 

ちなみに甲州ワインビーフを育てている
農家さんのほとんどがメス牛を
育てています。

 

この話を直接聞かせていただいた
山梨県甲斐市にある小林牧場でも
甲州ワインビーフは全てメス牛
育てているそうです。

なぜ、オス牛や去勢牛は
甲州ワインビーフには
少ないのかというと…。

 

去勢牛は「ブドウの搾りかす」を
いくら飼料に混ぜ込んでも
立派な体躯にはなりづらいと言います。

 

牛に与える飼料がエコ過ぎるので
大きくなりづらいようです。

 

その点、メス牛の方が「ブドウの搾りかす」
を飼料としても立派になるので今では
「メス牛だけを育てている」と
おっしゃっていました。

 

あと。

 

甲州ワインビーフのことを「黒毛和牛」と
勘違いしている方もいますが
正確には「黒毛和牛」ではありません。

 

「黒毛和種」と「ホルスタイン種」を
交配した交雑種です。

 

写真をご覧いただくとわかりますが
見た目は100%黒毛和種と
呼んでもいいくらい分かりません。

 

稀に白と黒の斑らの毛の生えた牛が
いますが、ほとんどと言っていいほど
真っ黒な牛ばかりでした。

想像していた交雑種とは
全く違います。

 

この後の章で肉質も解説しますが
黒毛和牛よりも赤身の部分の味が良い
個性豊かな味わいのお肉になります。

 

甲州ワインビーフの味

繰り返しになりますが、
甲州ワインビーフのお肉は
完全な赤身肉ではありません。

 

半分、黒毛和牛の“血”が入っている
のでお肉には適度なサシがあり
赤身の部分もあるのでお肉自体が
風味豊かで味わいがあります。

 

赤身のお肉は放牧させて初めて
赤身になると一般的には
思われています。

 

でもそれは間違いです。

 

牛を牧草だけで育てようとしても
肉付きが悪くガリガリで固い筋肉質
になります。

 

私たちが知っているような
噛むごとに柔らかい肉質には
なりません。

 

これから話すことを
誤解して欲しくないのですが…。

 

お肉として美味しく食べるために
肥育は必要なことです。

 

牛を飼育する時に日本では別々に
牛を育てる習慣があります。

 

甲州ワインビーフは飼育と言っても
仔牛から育てていません。

 

すでに仔牛まで育っている牛に
さらに栄養のある飼料を与えて
お肉として食べるのにふさわしい
育て方をしています。

 

これを「肥育」と呼んでいます。

 

インタビューをさせていただいた
小林牧場では23〜24ヶ月という
年月をかけて肥育しています。

 

世間では赤身肉が騒がれています。

 

しかし、一口食べるとお肉が固い
旨味が弱い、ゴムみたい、とか言われる
外国産のグラスフェッドなどと比べれば
国産の牛は極端に固すぎるお肉は
ないと思います。

 

それはなぜかというと一見。

 

自然の摂理に逆らっているように
見えないこともないですが「肥育」
という作業は日本の肉用牛全般において
お肉を柔らかく美味しく食べるために
重要なのです。

 

もし、機会があったら
グラスフェッドの牛肉と
国産の交雑牛を食べ比べて
みてください。

 

お肉の旨みや柔らかさ脂の香りなど
ケタ違いに別物だと解るでしょう。

甲州ワインビーフの味が好きな方は赤身肉も好き

甲州ワインビーフの味の特徴は
適度な脂がありながら
お肉の味がある点です。

 

元々は美味しい牛肉を目指して
飼育されました。

 

当初はサシがびっしりと入った
和牛の方が好まれていましたが
時代が健康志向に変わると
ワインビーフの味が美味しい、と
評判になりました。

 

外国産の赤身肉と比べれば
始めは脂が気になるかもしれません。

 

しかし、火を通してお肉を食べると
黒毛和牛では得ることができない
お肉の旨さが甲州ワインビーフ
にはあります。

 

まず、外国産の赤身肉は
肉が固くなり、かなりよく噛まないと
食べられません。

 

だから、よく噛まないで食べられるように
かなり生の状態で火入れをしています。

 

それに対して、甲州ワインビーフは
完璧な赤身とは言いませんが。
(モモ肉はバッチリ赤身でしたよ!)

火を通しても外国産の赤身のような
固さはなくお肉自体の味わい
旨みを感じて美味しいと感じました。

 

ワインビーフを育てている
小林さんに美味しい食べ方はありますか?
とお聞きしたところ…。

 

『入手困難かもしれませんが
頰肉を薄く切ってから火を通すと
味が濃くて美味しい』

とおっしゃっていました。

 

頬肉を食べる機会は
余りないかもしれませんが
お肉好きなら一度は食べておきたい
部位だと思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

甲州ワインビーフは最近、
特に注目株の銘柄牛の一つです。

 

一般的に「黒毛和牛市場一強」の中であえて
黒毛和種と乳牛であるホルスタイン種を
掛け合わせて交雑種として育てています。

 

そこには黒毛市場では決して
得ることができないような独自性
垣間見ることができます。

 

牛を育てる時の飼料が違います。

 

ワインの搾りかすを牛の飼料に
混ぜることで牛が健康的に育ち
お肉に濃い味わいをもたらしています。

 

それに和牛のサシが強い、と
ステーキにするには贅沢すぎるというか、
不向きという人もいます。

 

その点、赤身のお肉に味がある
交雑牛のステーキの方が
お肉自体の味も楽しめる
ように思いませんか?

 

さらに極め付けは
牛さんがどのように育てられたのか
分かる「トレーサビリティー」
付きです。

 

スーパーなどで売られている
外国産の牛には国産の牛と
同じようなことを知りたくても
調べる術がありません。

 

調べようとすると下手したら
国際問題に発展しかねないです。

 

そんなことは「絶対にない!」とは
思いますが、もしかしたら、
外国産の牛は飼料の中に
遺伝子組み換え飼料
混ぜているかもしれません。

 

正直、私もステーキマイスターとして
美味しい外国産の牛肉があることは
知っています。

 

ですが、果たしてそれで喜んでいて
良いものか?考えさせられます。

 

今回ご案内した甲州ワインビーフは
ステーキ用の部位として人気がある
サーロインやヒレ肉、モモ肉などを
ステーキにすれば極上の味になります。

 

この記事をここまでお読みになり
牛肉に関して明るい未来を感じている
お店を経営されている方は一度。

 

甲州ワインビーフをメニューで使われると
お店の評判が上がると思います。

でも火入れには注意してください。

 

黒毛和牛のように絶対に
焼かないほうがいいです。

 

あくまでも赤身肉の焼き方に
準じた工程のほうが美味しさを
堪能できるでしょう。

 

もちろん、甲州ワインビーフには
山梨県産の甲州ワインを合わせて
ステーキを食べれば最高だと思います。

 

最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

甲州ワインビーフを家庭用で購入したい方は
今回インタビューにご協力いただいた
小林牧場直営のお店で買うことができます。

美郷

営業時間:10:00〜18:30
定休日:火曜日(祝日の場合は営業)

 

・甲斐島上条店 tel: 055-267-3113

・甲府大里店   tel: 055-242-0265

・南アルプス店  tel: 055-267-7640

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