ステーキマイスターの折原です。

 

同じ国内産の牛肉でも交雑種という表示を
目にしたり、肉卸業者さんからの見積もり
F1とかF2交雑などが書いてあるのを
みたことがあると思います。

 

見積もり表記によくある「F1」とか「F2」
は交雑種の別の表記の仕方です。

 

よくある勘違いに多いのは、
『交雑は肉が美味しくないんじゃないの?』
と思ってメニューに入れない方がいます。

 

スーパーに特売で並んでいるステーキ肉
に交雑牛を書かれていたら手を伸ばさない
肉マニアの方もいます。

 

よっぽど特殊の場合を除いて
肉の質に関して言えば
肉に良い悪いはありません。

 

単に同じ国内で育てた牛を分かりやすく
「区別表示」をしているに過ぎません。

 

和牛に関しては和牛と表示をしたり
銘柄を打ち出しているから選ぶ側からすると
分かりやすいかもしれません。

 

飲食店の方ステーキマイスター初級を合格
された方によく聞かれることに、肉の各付けに
関することがとにかく多いです。

 

中には交雑牛は良くない、というイメージだけで
決めつけてしまう方がいるのは、肉が好きな
私からすると残念に思います。

 

交雑牛に関してF1やF2の違いについても
聞かれることが多くなりました。

 

そんなご要望にお応えしたいと思い
記事を作ることにしました。

 

このページでは交雑種の特徴と
F1、F2などの意味について説明します。

 

交雑牛の意味

交雑種の牛とは主には、肉用種(和牛)
乳用牛(ホルスタイン種)を掛け合わせた
牛のことを指すことが多いです。

 

このように書くと漢字ばかりで難しい表現に
なっていますが超簡単に説明すると
雑種です。

 

雑種ですから、和牛と何か。

 

別の乳牛でない牛でもいいですし
海外から連れてきたアンガス牛などと
別の牛を掛け合わせても
交雑牛と呼ぶことができます。

 

それと、あまり知られていませんが
「和牛間交雑種」と呼ばれる
和牛同士を交配させた交雑種も
います。

協会さんの元には和牛間交雑の肉も
取り扱っていることがあるので
気になる方は一度連絡をしてみても
いいかもしれませんね。

 

交雑種の牛は牛の種類間で
交配をしているので一言に交雑種
というだけで決められないのが
現状です。

 

交雑牛の特徴は肉にある

なぜ、わざわざ牛を交配をさせるのでしょう。

 

和牛などでしたら交配させるよりも和牛として
食肉にした方が良さそうな気がします。

 

一つ例を出すと。

 

有名な交雑種に「黒毛和牛」と「ホルスタイン」
の交雑牛がいます。

 

肉用種でサシが多い黒毛和牛と
乳用牛の中でも大きい体のホルスタインを
交配すると、肉質がちょうど中間くらいに
なります。

 

黒毛のサシを引き継ぎながら、赤身質の
乳用牛の肉の中に適度にサシが混ざって
黒毛和牛よりはサシが少ないながら
味わいのある肉が出来上がるのです。

 

今、話したように必ずしも。

 

サシと赤身肉の割合がいい感じになるのか
というと、個体差や黒毛の質にもよるので
同じようになるわけではありません。

 

料理をしたり調理された肉を食べていると
分からないかもしれませんが、交雑種の牛肉
の最大の特徴は和牛の良さを引き継ぎつつ
食べやすい肉です。

 

先ほども話をした和牛間交雑種も
同じような考え方です。

 

ただ。多くの和牛間交雑種は黒毛和牛と
別の和牛を合わせた交雑が数頭いる
に止まっているようです。

 

同じ和牛を交配させるので
乳用種と交配するのと違い
コストが掛かります。

 

同じ交配のコストをかけるならば
乳用種の方が抑えることができて
出来上がった肉もサシが入り高値で
販売もできるからです。

 

どうやら和牛間交雑は農家さんには不人気
のようです。

 

私、折原が以前食べた和牛間
交雑種に短角和牛と黒毛和牛を掛け合わせた
業界用語でいう「タンクロ」を食べたことが
あります。

 

当時は、まだステーキマイスターでは
なかったので、その肉の貴重さがあまり
理解できませんでした。

 

肉の美味しさだけは格別だったことは
記憶しています。

 

『もう一度味わってみたいステーキは
ありますか?』と聞かれたら、
『タンクロのステーキが食べたいです!』
と胸を張って言えるくらい美味しい肉です。

 

短角和牛は肉の味の濃さがウリの
赤身の和牛です。

 

黒毛和牛はご存知の通り
肉が霜降りになる

 

肉の柔らかさがウリの和牛です。

 

両者のいいとこ取りをするわけですから
美味しくない理由を見つけるのが
難しいくらいの組み合わせです。

 

コストの面を考えると和牛同士の交雑よりも
乳用種の方がいいかもしれません。

 

何れにしても、
交雑種の肉の特徴は合わせる肉の
良さをミックスした特徴の肉になる、
ということですね。

 

交雑牛によくあるF1とかF2の意味

交雑牛の表記の横にF1とか書いてある
ラベルを目にしたことはありますか?

 

F1とは「一代雑種牛」の意味です。

 

F1が一代でF2がもう一回交雑にした牛肉
という意味で使うことが多いです。

 

ちなみに、交配が進むとF1、F2、F3…となります。

 

当然ですが、交配を重ねていくことで
素となってる牛の良い面は
失われていくことになります。

 

その分、肉としては安価な肉になりますが
肉の味を求めたり肉そのものを味わいたい
のであれば「F1交配」までの牛肉に
留めておいた方がいいかもしれません。

 

交配をする目的は肉を多くとり
歩留まりを良くしたりサシを入れて
肉を柔らかくするなどです。

 

こうすることによって、酪農業の方にとっても
乳用牛だけではなく新たに販路の開拓
可能になります。

 

そこし話が逸れますが、酪農家は
ホルスタインのメス牛に黒毛和牛の精子で
人口受精を行いホルスタインから
交雑牛が生まれます。

 

同じことを黒毛で行うにはリスクが高すぎること。

 

それと牛の体の大きさもホルスタインの方が
大型なので交雑牛が生まれても安産になります。

 

こうして交配した交雑種のことを「F1」と呼んで
別の取り扱いにしています。

 

前述しましたが、“F1だから肉が良くない”
とかでなくその素材を活かすような調理法
開発した方がいいでしょうね。

 

交雑牛にA5はいるのか

先日。

 

東京食肉市場のセリ場を見てきて
感じたことがあります。
(写真の中のいくつかが交雑牛の枝肉です。)

 

「A5ランクは肉の味の評価ではない」
ということです。

 

枝肉に格付けをしているから最高ランクの方が
さぞ美味しい肉なのか、と思ってしまいます。

 

肉の美味しさではなく、あくまでも
見た目の肉の質のランクです。

 

ただ、枝肉のセリを見ていると分かりますが
黒毛和牛の枝肉交雑牛の枝肉
隣に並んでいると明らかな違いがある
のが分かります。

 

黒毛和牛を基準に作られた格付けですが
交雑牛でも良い枝肉になるとB5とかB4などに
なることがあります。

 

残念ながら交雑種A5の枝肉にはなりませんが
B4とかB5が出ると最高ランクの交雑牛です。

 

B4の交雑牛とA2の黒毛和牛の肉を比べると
分かりますが、B4の交雑牛の肉の方がサシ
あるので肉も柔らかいです。

味わいも乳牛のホルスが入っているので
赤身の部分にも肉そのものの味がありました。

 

牛肉を選ぶ時にどうしても格付けを
気にしてしまうのですが、厳密にいうと
格付けだけ判断をするのではなく、
別の基準を持った方がいいかも
しれませんね。

 

まとめ

交雑種といっても、どの牛と掛け合わせた
のかで、だいぶ肉質に違いが出るものです。

 

F1とかF2表記を読み解きながら、あなたの
お店にあった交雑種の牛肉を選んで欲しいと
思います。

 

肉に関しては、ブロック状態(精肉)に
なったものを見ても判断が難しい
思います。

 

出来るだけ信頼のある肉卸業者や
販売店から仕入れをしたり、
スーパーなどにおいてある肉の表示が
正しいところで購入するなどした方が
いいかもいいかもしれません。

 

国内で飼育されればトレーサビリティー
あるので、何かあっても調べることができます。

 

しかし。

 

これが海外産となるとそうもいきません。

 

どんな牛と交配させた交雑種なのか
どんな飼料で育てたのか調べようがないです。

特に、肉を専門に提供している、焼肉店、
イタリアン、フレンチ、高級ダイニングバーなどでは
肉に関する専門知識がないと、他のお店との
違いも出しずらいといった面もあるでしょう。

 

これから、ドンドン肉の知識を得ながら
肉を焼き上げる技術を磨いていってください。