あなたはこんな経験はありませんか?

友人と訪れたレストランで“食べたステーキ”の味が忘れられず、肉を買い求めて自分で焼いてみたら肉が固すぎて、とても食べれるものではなかった。

もしかしたら、自分が肉の火の通し方が間違っているのかと思い、今度は店の常連になり肉の焼き方のコツをプロの料理人から聞き出し、道具を揃えてからチャレンジしょうとしてしまい、再び失敗してしまう羽目になってしまう…

こういった考えになることは、悪いことではありませんが、実は多くのステーキ愛好家はステーキの火の通し方ばかりに目がいってしまい、肝心な部分が抜け落ちているから上手くいかない事が多いです。

大事な事実は、レストランで出されているレベルと同程度の牛肉を買ってきたにも関わらず、本当は同レベルで思うような肉質ではないことです。

ステーキはとてもシンプルな料理です。誰でも肉は焼けば美味しくなるわけではなく、肉に対して細かいところまで見る目利きが必要ですし、それを生かす技術も必要です。だからこそとても深い料理でもあります。

このような話を述べている私自身も、ここでは説明する側ですが数々の失敗をしてきました。

私もあるお店で食べたステーキの味が忘れられず、なんとか「自分の力で再現したい」と思い、街で一番の高級スーパーにある肉屋で“高級牛肉”を買ってきて焼いたことを覚えています。

当時はステーキの良し悪しを決めるのは「高級な牛肉かどうか」だと思っていたので、自分で買ってきて調理したステーキの不味さを経験したら、肉を焼くのは腕なのだと改めて思い返しました。

私が買ってきた肉は確かに高級ではありましたが、それを活かす腕や目利きがないため、肉焼きに失敗してしまったのです。

前述しましたが、美味しいステーキを焼けるようになるには、火の入れ方はもちろん、火を入れる前の“肉を見極める”目利きにあります。

要は手にした肉にはどのようなクセがあり、それをどう活かしていけば、美味しいステーキにすることができるのかを見極めることです。

今回はステーキを焼く前に、どのように肉の処理をしてからステーキすればいいのかと、焼き上げたステーキをどのようにカットすれば美味しく食べれるのか、「肉とカット」の話を説明します。

肉は柔らかい食べものではない

ステーキモモ肉

肉好きのあなたはすでにご存知だとは思いますが、肉(牛肉)が柔らかいというのは“肉の部位”でだいぶ変わるものです。

例えば、牛肉でいうと牛の中で一番やわらかい部位は“ヒレ肉”です。しかし、ヒレ肉は一頭の牛から僅か2本分程度しか取れず、大変貴重な部位ですので必然的に高価格で取引されてしまい、誰でも口にすることはできない“部位”といってもいいでしょう。

他の部位で肉が柔らかいのはサーロイン、リブロースくらいです。牛には他にもステーキとして食せる部位は多いですが、あとの部位はどんなに上手に焼き上げても、肉をよく噛まないと食べれないくらい“肉らしさ”があります。

そのように考えると、肉が噛まないくらいに柔らかいのは極めて珍しいことであり、肉を塊のまま切り分けて食べるステーキの肉は、ある程度は噛まなければ食べることができない、ということもなりますよね。

牛肉の例でいうと、人気のある3部位はすべて上記で記した、ヒレ、サーロイン、リブロースです。

もし、その他の部位をステーキにして食べるならば、「肉はよく噛むことが美味しいのだ」と思ったほうがいいでしょう。

でも、それだとステーキを嫌いになる方が多いと思いますので、他の部位でも美味しく極力柔らかく食べる方法を伝授します。

繊維に注目すべし

サーロインカット

牛肉の切り身をスーパーなどで購入してよくご覧になってください。

肉を形にして形成している肉の繊維があると思います。別名筋肉ともいいますが、肉はいくつもの肉の繊維が束になり一つの部位となっています。

つまり肉を美味しく食べたいのであれば、肉の繊維に注目すべきなのです。

大概は足系の部位、外もも肉や内もも肉、前足の肩から足にかけての部位は、牛の体を支えるために肉の繊維は太めが多いです。

反対に背中側の部位であるリブロース、サーロイン(腰)などはあまり動かすことがないので、肉の繊維は細いものが多いです。

肉の硬さはこれだけが原因ではないですが、肉の繊維が束になって肉として形成しているということは、この繊維を噛み切らなければ肉を食べることはできないと同じです。

そのような理由もあり、肉の硬さに差がでています。

では、モモ肉や肩肉、ランプ肉などは美味しく食べることができないのか、というとそうではなく、肉の繊維を断ち切るようにカットされた牛肉を手にいれることができたら、多少の噛みごたえはありものの、美味しく食べることができます。

肉を見る目利きは、肉の繊維を切って売られているのかがとても重要といえます。

肉屋さんに直接お願いできるのが一番いいですが、もしスーパーなどでステーキ用の牛肉を買うことがあるならば、肉の繊維に注目してみてください。

実は悲しいことに肉を売っている側は、肉の繊維を切ることを優先するよりも、売りやすい大きさに見えることのほうに重きを置いている事が多いです。

商売を考えると仕方がないかもしれませんが、この記事をお読みのあなたは、「肉の繊維」に注目して購入してくださいね。

一見同じように並んでいるパック詰めさられた肉類ですが、よく見ると肉を形良く見せるために、繊維に沿って販売していることに気がつきます。

特にステーキなどの塊で肉を焼き上げる料理は、肉の繊維の見極めがとても大事です。

これは余談ですが、もし硬そうな繊維がびっしりの肉を購入してしまったら、漬け汁につけたりステーキにすることを諦めて、焼肉として食べられるように薄切りにしてください。

焼肉とする場合もできれば“繊維を切って”食べたいものです。

カットされた肉の繊維に切り目を入れる

これは裏技的なのかもしれませんが、あまりにも肉が固いなと感じるようでしたら、肉を焼く前に肉の繊維をカットしておくと、火を入れたときに肉が縮みずらくなります。

それと、食べた時の肉は切り目を入れていないで焼き上げたものと比べると、多少は食べやすくなっていると思います。

この方法はとてもよいと思われますが、物事はメリットがあれば当然デメリットがあるのと同じように、この切り方にもデメリットがあります。

それは、ミディアムくらいに焼き上がった肉を休ませていると、肉を柔らかくするためにいれた切り目から肉汁がでてしまうことです。これはステーキ好きのあなたにとっては致命的かもしれませんね。

肉の繊維を切ってから焼き上げるときは、焼き方を一つ手前のミディアムレアくらいに火を入れれば肉汁はそこまででないので、肉の旨さを損なわずに済みます。

もしくは、ミディアムに焼き上げたら休ませる時間を、いつもよりも少なくしてする。もしくはステーキをカットしないで食卓に出すとかなど、できるだけデメリットがでないように工夫することがポイントです。

 

旨いステーキを食べたければカットに気をつける

土佐あかうし

焼き上がった肉はステーキナイフなど、専用の刃のついたナイフを使いステーキを食べます。

このとき気をつけてほしいことがあります。それは出されたステーキの断面をよく見てほしいのです。

ステーキを提供しているレストランも、柔らかい部位だけを使用しているわけではありません。

それに、いくら柔らかい部位と言われるフィレ肉に以外の部位、サーロインなども肉を繊維に沿ってカットされていなければ、よく噛まなければ食べることに苦労します。

そのことを知らずに、出されたステーキをカットしても肉の繊維に沿うような形になっているため、噛みごたえのある肉を食べてしまうことになります。

焼き方にも注意が必要

ステーキ,フライパン

肉の焼き方でも硬くなるなる原因があります。肉を強火で固めるようにして火入れをしてしまうと、肉の内部の繊維が火力によってグッと引き締まります。

そのまま、強火で焼き上げたステーキは一見美味しそうに見えますが、強火で火を入れた反動が肉に働くことになるので、固く肉の繊維が閉まっていくことになります。

もし、強火で肉に火を通しすぎたと思ったら、肉の火の入り方を必要以上に気にするよりも、ゆっくり落ち着かせてみてください。

肉は火を通す時間が増えるごとに、肉の繊維に火が入ってくので固くなります。でも、少し置くことによって固く火が入った肉の繊維の間に、肉汁が充満していきます。

その状態で肉の繊維を切るようにして食べてみてください。

想像以上の肉の旨さを実感できるでしょうね。