スーパーや百貨店の地下にある食料品売場などで、外国産の冷凍されたステーキ用と書かれた牛肉が売られています。

もし、この記事をお読みのあなたが売られている「冷凍肉」を買ってきてステーキを焼いたとして、「上手に美味しく調理」できたと思えるレベルでしたでしょうか?

じつは、冷凍のステーキ用の肉は専門的に扱いのある飲食店のプロの料理人でさえ、上手に焼き上げることはとても難しいといわれています。

驚かれたかたもいると思いますが、プロが扱う肉でもランクがあります。この話は後述しますが、これらの見分け方や適切な調理方法が分からないことには、冷凍の肉を上手に調理できるようにはなりません。

しかし、肉に対する“知識”“焼き方”のコツが分かり、正しい手順で調理すれば誰でも美味しくすることは可能です。

その方法をこのページで説明をします。

 

冷凍肉の実態を知る


冷凍されてお肉全般にいえることですが、外国から輸入されてきたお肉は、現地で肉をカットして現地凍結した状態で日本に輸入されたのか。

それとも、大きな部位のブロックが冷凍されている状態で日本に輸入されて、スーパーなどの小売店が冷凍のブロック肉を解凍もしくは半解凍をしたのち、ステーキ用にカットして再び冷凍したのか…でだいぶ状態が変わります。

前者の場合は、現地でどのような冷凍をしたのか、知ることが難しいです。その代わりに日本に着くまで一度も解凍されていないのは高ポイントです。

後者の場合は逆に最低一回は解凍、または半解凍をしています。綺麗に肉の筋や脂などが取り除かれているかもしれませんが、一度でも解凍をした肉であることには変わりません。

なぜ、両者とも気にしているポイントが“解凍”なのかというと…

肉の繊維に関係してきます。専門的な話は長くなるので要約をすると、冷凍した時点で肉の内部の繊維の水分が凍結して冷凍となります。

一度でも解凍をしてしまうと、内部の水分とともに肉の旨味成分まで一緒にでてしまいます。

肉の繊維も生の状態と比べると冷凍によって崩れてしまい。そのように水分がでたのちに再び冷凍をすると、内部の水分が凍って冷凍になっていますが、さらに凍らすことで肉の“旨味成分”を完全に凍らせることで冷凍になります。

どういうことかといいますと、一回目の冷凍は肉の繊維の中の“水分が凍る状態”だったと思います。これを解凍して元々、肉に含まれている水分がでてくるので旨味が出るといっても量は知れています。

たいして、一度解凍した肉を“再冷凍”するということは、すでに肉の水分が出きっている状態で冷凍するわけですから、肉の旨味を直接凍らせることになりますよね。

この状態を再び解凍したらどうなるでしょうか。

旨味がでてしまい“スカスカのお肉”になってしまうのです。

冷凍のステーキ肉を扱い調理をするわけですから、冷凍をするとはどのようなことか?を知るほうが、断然に調理をするとき失敗する確率を減らせます。

冷凍食品と素材を凍結したものの違い

“冷凍食品”とはすでにいくつかの調理工程を隔てて、特殊な方法で冷凍をした食品です。ですので、これらを使うことで、大幅な調理工程の時間を短縮できるので働いている主婦を中心にとてもニーズがあります。

では、冷凍された“食材”はどのように調理していけばいいのかですが、まず、素材を解凍をしないことには調理はできませんよね。

誤解を恐れずにお伝えすると、私は以前に料理教室を開催していたことがあります。

その時にされた質問が「冷凍されているステーキ用のお肉は冷凍のまま焼いてもいいの?」このような内容だったと記憶しています。

確かに半分以上調理されている食品に関しては、すでに調理がされているので、解凍をしないで調理を行うべきですし、そのほうが理にかなっていると思います。

ですが、冷凍された素材を使用する場合はそうもいきません。

仮に冷凍されたままの肉を焼いたらどうなるでしょうか?

フライパンや火力にもよりますが、肉が少しずつ溶けて水浸しになり「ステーキ肉を焼く」ではなく、解凍されている“水分の中で煮る”ような状態になりますよね。

ステーキ用で売られているお肉を煮込んだら、どうなるかは想像にお任せしますが、間違いなくいえることは、肉は固くなり味も水分に出ていくので「美味しくない」と感じるはずです。

ステーキ用で売られているお肉はできるだけ適切な手段で解凍をして、調理に取り掛かるほうが正解です。

解答する際に気をつけてほしいことが2点あります。

1点目:ステーキ用のお肉は、最低でも1日前に冷蔵庫にいれて解凍をすること。

これはすでに知っている方も多いのではないでしょうか。

急激に解凍をするかたがいますが、美味しく調理された「牛肉のステーキ」を食べたいのであれば、できるだけ時間をかけてゆっくり解凍をしたほうがいいです。

理由は、無理やり解凍をしてしまうと、前述した内容と同じで「水分の中で煮ている状態」になってしまうからです。

もし、毎日の仕事が忙しく解凍する時間がない、というかたは、できるだけゆっくりと電子レンジなどを上手に使いこなし解凍をします。が、そのときに肉の中心まですべてを解凍するのではなく、半分だけを解凍してほしいのです。

そうすれば、水分の中で煮えていくのを、少しでも抑えることができますので、時間がなければこのような方法でもオッケーです。

2点目:解凍するときは下に吸水性のある紙などをしいて、水分が出てきても素材に水が埋まるようにはしないことです。

逆に水分が肉につかなければ、どのような方法でもオッケーです。もし、自宅にあるならば「網付きのバット」などにのせておくといいです。

折角、上手に解凍をしても水浸しになっては元も子もありません。

水分だけは気をつけてくださいね。

調理器具に左右されてしまう

仮にご家庭にある熱源が“電磁調理器”ですと、かなり水分を切った状態でステーキを作らないと上手に焼くことは難しいでしょう。

熱源が火を使っている場合は、多少、水分が残っていても火の放射熱によって蒸発していきます。

どちらにあなたの家庭環境の熱源が属しているのかを、見極めたうえで調理を行ったほうが失敗をしないで済みます。

次に肉を焼くフライパンです。

電磁調理器の場合は専用のフライパンを使うことになるので、それを買い求めてください。

メーカーが推奨している以外のフライパンを使用すると、もしかして煙が出たり危険なことが起こる可能性があるので注意が必要です。

ガスを使用した熱源の場合、フライパンはできればある程度の高熱に耐えられるフライパンを使ったほうがいいでしょう。

なぜなら火力によって、例えば、テフロン加工のフライパンなどは「テフロン加工が剥がれる」のはあたりまえとして、火力によりフライパンが曲がることもあります。

できれば、熱伝導のよい鉄製のフライパンを使用するか、もしくはテフロン加工でも高熱に耐えることができる、特殊なフライパンを買い求めたほうがよさそうです。

 

ステーキ用の肉と売られていても同じではない

この話はよくある“素材の見極め”の話だけではありません。

同じように切り分けられているようにみえて、例えば、外国産のサーロインが売られているとしましょう。

サーロインとは腰の部位ですが“肩肉”近いリブの方は肉が厚い、つまり見た目の大きさの面が大きいです。

たいして同じサーロインでもお尻に近い部位になると肉の厚さはないです。

このように同じ部位だから同じではなく、売られているまたは飲食店であれば納品されるときに「この肉はどの辺りの肉が届いたな」と知っておくべきです。

なぜなら、すでにステーキ用として切り分けられている牛肉は、指定されたグラムで切り分けられているからです。リブに近いサーロインは見た目が大きいと述べましたが、「見た目が大きい=肉の厚さが薄い」ということにもなります。

ここで気をつけていただきたいのは、あくまでもカットして売られている肉は、すべて“グラム”で売られているということです。

この事実に気が付かず、「肉の面積が大きいお肉がいいな!」と見誤り「今夜はステーキにしよう!」と思っても、ペラペラ過ぎてステーキには不向きな肉になってしまいます。

さらに、冷凍されているので肉の断面まではよく見えない場合もあります。冷凍のステーキ用の牛肉を購入する際は、以上のことを踏まえたほうが良さそうですね。

 

冷凍の肉として価値

ここまで読んでいただけば、冷凍の肉は特殊な“知識”や“道具”が必要なのは理解できたと思います。

がしかし、根本的なことを述べると肉の品質としては「冷凍→チルド冷凍→CAS冷凍→チルド」という順番で同じ品質の肉でも価格が変わっていきます。

上記をご覧になると分かりますが冷凍は一番ランクが低いです。肉の品質は元々は同じですが、冷凍をしてしまうと肉のランクが下がるので、肉を販売している会社はあまりしたくないのが現状です。

だから、冷凍のステーキ用の牛肉は安く売られているといえますね。

冷凍のステーキ用の肉を上手に調理することはできますが、そのためには肉のことや調理などの知識はもちろん、最後は「この肉を絶対に美味しくして食べるぞ!」という情熱も必要なのかもしれません。

最後に「失敗しないように冷凍ステーキ肉をうまく焼く方法」は、3つのポイントを押さえれば誰でも美味しく調理することができます。

1)調理をする環境を知っておくこと
2)冷凍されたステーキ肉の解凍はできるだけゆっくり解凍をすること
3)水気にはとにかく気をつけること

以上のことを気にして取り組んでみてください。上手に冷凍ステーキに肉を焼けるといいですね!