阿蘇産山村のあか牛は他のエリアで
育てるあか牛と異なります。

 

この記事ではなぜ他のあか牛と
比べて産山村のあか牛は別格なのか?
を赤牛農家の方に直接お聞きしました。

 

続編を楽しみにお読みください。

 

阿蘇郡産山を支える日本が誇る名水

阿蘇郡産山村には日本名百選
選ばれた名水があります。

 

池山水源の水です。

この水があるおかげで
あか牛は健康的に育ちます。

 

このエリアに住む人たちにとって
大切な生活用水です。

 

泉のように湧き上がる水は
あか牛たちが放牧されている
山から降りてきた水です。

 

透明度が極めて高く、水源がある
泉を訪れると、まるで別の空間に
いるような錯覚になります。

 

別の言い方で言い表すならば
熊本県が誇るヒーリングスポットです。

この場所に一日いたら
日々の疲れを忘れさせてくれるでしょう。

 

私は日本中の和牛を見てきましたが
素晴らしい和牛が飼われている場所には
名水と呼ばれる水があります。

 

ここ阿蘇郡産山村も同じです。

 

だからこそ素晴らしい牛が
生まれるんだな、と感じました。

 

阿蘇産山村に伝わる完全無農薬農法

阿蘇郡産山村を訪れてもう一つ
驚いたことがあります。

 

いつもお世話になっている
あか牛農家の方は米も
作っています。

 

訪れると食べさせていただくのですが
炊きたての米の甘さや香りにいつも
驚かされます。

 

完全無農薬です。

米農家のことをあまり知らない人は
想像がつかないかもしれませんが
全国で取れる多くのお米には農薬が
使われています。

 

しかし、産山村では完全無農薬で
お米を育てています。

 

なぜだと思いますか?

 

– 山奥だから
– 少量しかないから
– 虫がつかないくらい寒いから

 

・・・などの意見があると思います。

 

残念ながらどれも不正解です。

 

田んぼの中に生きてる鯉
を放って害虫駆除を行っています。

 

鯉(コイ)農法と呼ばれてます。

 

鴨を田んぼで飼って育てる方法と
似ています。

 

この方法で育てれば農薬は不要です。

 

産山村で育てた米で作った
地酒を飲ませていただいたのですが
日本酒や米焼酎のラベルの裏側には
生産者の名前には“鯉”の文字が
ありました。

 

鯉が農業で活躍するとは
驚きです。

 

日本酒や米焼酎もスッキリして
とても美味しく味わえました。

 

あか牛の肉質の源にはコレが必要だった

鯉農法で育てれば農薬は不要です。

 

寒暖差が激しいエリアなので
とても美味しいお米になります。

 

言い忘れてましたが米を育てる
田んぼの堆肥は“あか牛”からです。

 

健康的に育てられた栄養満点の堆肥
鯉が害虫を駆除してくれるので
美味しいお米にならない理由を
見つけるほうが難しいです。

 

米は人間が食べます。

 

米を取って残るのは“稲わら”です。

 

稲わらはあか牛の飼料になります。

 

気がついたと思いますが
「あか牛→田んぼ→稲わら」
と循環しています。

 

全てが回ってお互いを支え合う
循環型農業です。

 

あか牛農家が激減した理由を直撃インタビュー

熊本県あか牛は赤身肉ブームにのり
一気に知名度が上がりました。

 

しかし、現実はまだまだ厳しそうです。

 

ここまで読まれたら分かると思いますが
放牧主体の“あか牛”を1頭育てるのは
大変なことです。

特に産山村のあか牛は放牧して
育てるので牛を育てるリスクが
常につきまといます。

 

– 事故で怪我をする
– 想像以上に売れなかった
– 子牛の価格が高い

・・・など

 

個人的に一番難しいと感じたのは
牛を飼うことは1年とかではない
ことです。

 

最低でも2年間に渡り牛を飼わなければ
その肉の良し悪しが分からないです。

 

あか牛をセリ場に出してしまうと
よっぽどの霜降り肉ではない限り
いいところA3止まりです。

 

和牛の評価基準はサシの入り具合
で作られているので、どんなに美味しい
赤身肉を作っても肉の評価
上がりません。

 

セリに出して売れたとしても
次の子牛を購入しなければ
次回以降の収入機会が
生まれません。

 

最近ではだいぶ落ち着いたようですが
あか牛の子牛1頭辺りの取引価格
を聞いて驚きました。

 

あまり大きな声では言えませんが
子牛を購入して肥育など飼育費用を
2年かけて捻出して、あか牛をセリ場に
出してトントンくらいです。

 

つまり、2年かけて育てても
利益があまり残らないのです。

 

あまり出したくない裏側でしたが
あか牛を買う人や仕入れをする人は
知っておいた方が良いと思います。

 

肥育農家から一貫農家へ

子牛の価格上昇に中で
肥育農家一本の道は
かなり難しいといえます。

 

そこで、阿蘇郡産山村
あか牛農家の方は肥育だけでなく
一貫型の農家へシフトしています。

 

まだ、完全一貫農家への道は
険しいですが着実に子牛が
毎年生まれているので
このサイクルが上手く行けば
安定していくでしょう。

粗飼料と濃厚飼料

 

牛の飼料になにを混ぜてどのくらい
食べさせるかで大きく肉質が変わります。

 

牛に与える飼料は大きく分けると
2種類です。

 

粗飼料濃厚飼料です。

 

粗飼料とは生草(牧草)、サイレージ
(牧草を発酵させたもの)
乾草、稲わらなどのことです。

対して。

 

濃厚飼料は穀物系、とうもろこし、大麦、
小麦、米、大豆や油粕などです。

 

なかには肉骨粉、魚粉、鶏糞などを
混ぜることもあります。

 

濃厚飼料は高タンパク質ばかりなので
不健康になりやすいリスクがあるため
粗飼料主体にして濃厚飼料は極力
少なくしています。

 

ちなみに濃厚飼料をあか牛に
与えすぎると脂っこい肉になります。

 

そして、大きく育ちます。

 

牛専用の塩があった

牛舎を見学したときに
あか牛がペロペロと舐めている
“あるモノ”を発見しました。

 

なんと!牛専用のです。

 

ミネラル分を補給しているそうです。

 

それにしても、尋常じゃないくらい
塩をペロペロと舐めています。

 

そんなに塩が好きなのか?
と思っていましたが、どうやら現在
お腹に赤ちゃんがいる母牛でした。

 

子牛の分も栄養を取らなくては
ならないので一生懸命
塩分を補給していたのですね。

 

赤牛農家が気を使うアニマルウェルフェア

あなたにお聞きします。

 

「アニマルウェルフェア」って知ってますか?

 

イギリス由来の家畜に対する
考え方です。

 

真面目に説明すると
長文になってしまうので
超簡単にまとめました。

 

感受性を持つ生き物として家畜を扱い。

 

生まれてから命を全うするまでの間
ストレスを出来る限り少なくして
健康的な飼育方法を推奨する
方法です。

 

代表的な言葉で5つの自由があります。

 

1) 空腹と渇きからの自由
2) 不快からの自由
3) 痛みや傷、病気からの自由
4) 正常な行動を発現する自由
5) 恐怖や苦悩からの自由

 

今では、「5つの自由」は家畜のみならず、
人間の飼育下にあるペットや実験動物など、
あらゆる動物のウェルフェアの基本として
世界中で認められています。

一般社団法人
アニマルウェルフェア畜産協会から抜粋

この画像の牛舎は
ゆったりとしていますよね?

あか牛にできるだけストレスを
掛けないような配慮から
この方法にしているそうです。

 

こちらではアニマルウェルフェア
できる限り則ってあか牛を育てています。

 

当然。

 

牧草地での放牧もあか牛らしい
自由があります。

この考えが良いのか悪いのかではなく
ストレスを減らしてできる限り
あか牛と共存していくために必要なのでは
と、私は感じました。

 

阿蘇郡産山のあか牛はステーキが最高に美味しい

知る限りでは阿蘇郡産山村のあか牛は
ステーキにすると最高に旨いです。

 

他のエリアで育てているあか牛とは違い
肉にサシはほとんど入っていません。

 

粗飼料主体で放牧させながら育てるため
キレイな真っ赤な赤身の肉になります。

 

東北の日本短角種とは違う個性です。

 

素晴らしい赤身肉です。

 

ちなみに、良質な赤身肉
金属探知機に通すと
ピーピーと音が鳴るくらい
鉄分が豊富な肉になります。

 

あか牛の美味しさを感じる部位

ステーキに適している部位として
オススメなのはヒレ肉です。

 

一度でもいいので
「あか牛のヒレ肉ステーキ」
を食べてみてください。

 

黒毛和牛や短角牛のヒレ肉とは
明らかに異なる肉の美味さに
驚きます。

 

とくに産山村のあか牛は赤身肉が
美味しいです。

 

赤身肉が美味しいあか牛のヒレ肉
信じられないほど味が濃いです。

 

それと、ランプやイチボなどの部位の
ステーキも肉の味わいをストレートに
感じることが出来るのでオススメです。

 

サーロインやリブロースの部位は
脂があるので
「脂ごと赤身肉を味わいたい!」

 

または、

「味わって欲しい!」

と思うならばぜひ
あか牛のリブロースやサーロインを
メニューにいれてください。

 

産山産のあか牛の脂はイヤなしつこさもなく
さっぱりとして美味しい脂です。

 

普段、黒毛和牛を使っている
お店こそ産山村のあか牛をメニューに
いれると良いと思います。

 

「赤黒の牛肉食べ比べステーキ」にしても
いいですし、肉好きのお客さんが多いならば
あか牛の赤身肉は気にいると思います。

黒毛のような肉の柔らかさを求めるなら
サーロインやリブロースなどの部位を
選んだほうがいいです。

 

赤毛和牛をまだ試したことがないならば
一度、騙されたと思って試してみてください。

 

お客さんの期待を裏切らない
最高の和牛の赤身肉だと思います。