お肉料理を語る上で両者の存在なしには語ることができないくらい、誰もが好きな料理の上位にあげるくらい大変人気があります。

1つはステーキです。

ステーキという料理を想像すると、ある程度の厚みある肉に火を通して、肉の塊を口いっぱいに頬張るようなイメージがあります。

次はハンバーグ

日本人の中で、ハンバーグを知らない人を見つけるのが難しいくらい、とても人気と知名度もある料理です。

上記でご紹介した料理は知っていると思いますが、両者の“いとこ”のような存在で気になる料理があります。

それが「ハンバーグステーキ」です。

飲食店に食べに行って時、メニューにハンバーグステーキとあると、その料理が自分の慣れ親しんでいるハンバーグなのか、それともステーキなのか見る人の解釈によって、ずいぶんと変わる料理のように感じています。

そこで、このページではどのような料理がハンバーグで、どこからがステーキなのか、そして「ハンバーグステーキ」とは、いかなる料理のことを指しているのかを解説していきます。

ハンバーグステーキ

ハンバーグが日本に伝わった背景

これから述べることは、ステーキを知る上でとても興味深い内容になっています。

ハンバーグもステーキも同じ肉を食す料理ですが、解釈が違うのは日本だけかもしれません。

元々ハンバーグという料理が生まれた場所はドイツのハンブルグ地方の地方料理でした。

肉のミンチに混ぜものをして、主に茹でで食べていたのが始まりです。それがヨーロッパを中心にそれぞれの国々の独自の文化が融合して、様々な挽肉料理が生まれてくることになります。

例えば、ベルギーでは近隣のドイツのハンブルグ地方の料理と似ている料理で「フリカデル」という料理があります。

この料理は私達が知っているハンバーグとは程遠い形をしており、挽肉を肉団子にしてトマトソースや野菜ともに煮た料理です。

イタリアでもハンバーグと呼んでいいものか迷いますが、挽肉のなかにナッツ類やドライフルーツ、“つなぎ”などを混ぜ合わせて、こちらもトマトソースで煮たり、焼いたりする料理があります。「ポルペッティ」と呼ばれています。

もしかしてヨーロッパの中で、フランスが一番ハンバーグに近いかも知れません。「ステックアッシェ」という料理があります。

ステックアッシェ、ハンバーグステーキ

ステック=ステーキ:アッシェ=みじん(ミンチ)切りにした、このような意味です。「ミンチにしたステーキ」とても分かりやすい名前です。

あと、ハンバーグを語る上で抑えておきたいのは、ハンブルグ伝統料理のハンバーグを戦争のとき、ドイツから亡命したユダヤ人がアメリカに渡り本来ならば煮てから食すハンバーグを、焼いてパンにサンドしたのがハンバーガーの始まりとも言われています。(諸説あります)

いずれにしても、ハンバーグとステーキが親戚関係にあることは世界にある伝統料理が、物語っていると云えるのではないでしょうか?

日本のハンバーグは独自進化をしていた

日本で食べる「ハンバーグ」は、独自の進化を遂げて今の形となっています。一番の進化の特徴は“つなぎ”にあります。

つなぎとはひき肉とひき肉が加熱した際に剥がれないように固めるため、それとステーキと違い細かくミンチにした料理ですので、“つなぎ”がないと肉汁が外にでてしまいます。

肉汁がひき肉から流れ出ても、つなぎの中に肉汁を閉じ込められれば、味を損なうことなくジューシーに食べることができます。

ちなみにヨーロッパで使うつなぎは、「小麦粉」などの粉類が入ることが珍しくないのですが、日本のハンバーグのつなぎには粉類をいれることはなく、その代りにパン粉の量を増やして肉を柔らかくジューシーにしています。

主につなぎの材料は卵、パン粉、牛乳を混ぜ合わせたものです。

本来は肉々しいはずのミンチの塊が、つなぎをいれることで全く違う料理へと“進化”したといっても大げさではないと、私は思っています。

近年ブームのハンバーグの傾向をみると、つなぎや玉ねぎなどをたっぷり入れて柔らかさを重視した料理と、つなぎは極力入れずに肉の味だけでハンバーグにしているお店に分かれています。

いずれにしても、ステーキと比べると外見は全く違いますし、つなぎの有無で「ハンバーグ」と呼んでいいものか疑問が残ります。

料理に長年携わっている人間としていえることは、ハンバーグと呼べるのは「つなぎ」にあると思います。

理由は前述した通りなのですが、肉のミンチを混ぜるとき塩など最低限の調味料だけで練り上げて、焼き上げた料理のことをハンバーグステーキと呼んでも良いのではないのかと、私個人的にはそのように思っています。

ステーキの最大の特徴は、肉の塊を焼き上げて食すことにあります。肉に火を通す「通し方」で味が変わってしまうくらい、デリケートな料理がステーキなのです。

仮に、ステーキと同じ条件を満たすハンバーグとして、「100%肉のミンチ」だけで焼き上げたものをステーキ、つまりハンバーグステーキをよんでも良いですし…

ベストな方法は100%ミンチ肉が鮮度や衛生状態がよい赤身の肉をつかい、ステーキの焼き方と同じように“レア”“ミディアムレア”などの焼き上がりならば、誰の目から見てもその料理はステーキと呼べるとは思いませんか?

ステーキとハンバーグの最大の違い

これらを総合して考えると、当協会ではハンバーグとハンバーグステーキは別の料理だということになります。両者の最大の違いは“つなぎ”にあります。

そして、ステーキと同じように100%赤身肉ミンチを焼いたものを「ハンバーグステーキ」と呼ぶことにいたします。

間違った解釈をしてほしくないのですが、100%ミンチ赤身肉の条件は「生で食べられるくらいの安全性を証明」できるレベルの肉を使用してハンバーグにしていることです。

これは余談ですが、私が昔住んでいたヨーロッパ、フランスにあるビストロでハンバーグステーキ(ステックアッシェ)を注文したとき、焼き方を聞かれたときは驚きました。

後で知ったのですが、現地に住んでいるフランス人は「ステックアッシェ」を焼いて食べるとき。

実にフランス人の7割以上の方は“レア”もしくは“ミディアムレア”でステックアッシェを焼き上げて、ソースの変わりに「ディジョン産のマスタード」を付けながら食べていました。

日本ではあまり馴染みがないかも知れませんが、「ステックアッシェ」はシンプルに焼いて食べてもいいし、生クリームなどで煮ても美味しいです。この場合も肉の中心まで火を通さず食べると、とても美味しいですよ。

あなたは、塊肉をステーキにした、いわゆるステーキとハンバーグステーキどちらがお好きでしょうか?

両者とも譲れないくらいの美味しさがありますよね。